DELF B1


今日、DELFB1のオーラルを受けてきました。前回と同様*1に、試験の様子を書き留めておきます。

                       *

本編の前にちょっとした前段を話すと、なんでこうして試験レポを落としているのかというと、DELFは日本語での情報があまりにも少なすぎるからです。今でこそ仏語つながりの友人もいるけど、完全独学でやってたときはほんとに右も左もわからなくて、どういう試験をするのかすら仏語でしか情報がなくて、はじめて受けたDELFでは玉砕して結構落ち込みました。試験対策で勉強してるわけじゃないから傾向と対策を知ったところで語学力には関係ないかもしれないけれど、社会人になってから自分の意志で何かを学ぼうとしたら、ところどころでマイルストーン的な目標を持ってないとつらいわけです。なので、わたし以外の仏語学習者だって、なるべくだったら十分に本領発揮して合格したほうが気持ちよくがんばれるでしょう?というそれだけのこと。ふだんは訊かれてもないことをぺらぺらしゃべってますが、ここだけめずらしく「誰かの役に立てばいいな」と思って書いてます。

                       *

○試験勉強

前回は、A2受けるためにB1のテキストで勉強するっていうにくたらしい中学生みたいな方法でやってたのですが(中学生が高校のテキストで勉強する、的なね)、今回はB1すらあやういので、素直にB1のテキスト使いました。

Reussir Le DELF Niveau B1

Reussir Le DELF Niveau B1

これが公式参考書…なのかな?去年の秋はわたしそう書いてるけど、それすら仏語なのでちょっと自信なくなってきました。日仏学院の図書館には他の出版社のもいろいろあったけど、これがいちばん本文組がシンプルだったのでこれにしました。


あと、これは語彙力つけるためのテキスト。2年くらいずっと使ってて、意味は全部覚えてるから次は自分の口から出るかどうか、ってところ。

話すフランス語の単語力―〈分野別〉ベーシック2000語

話すフランス語の単語力―〈分野別〉ベーシック2000語


これは会話表現を身につけるためのテキスト。センテンス丸覚えして実践で使ってみるとすごく自然な会話ができます。今回かなり役に立ってくれました。ずっと持ち歩いてるのでもうボロボロ。カタカナでルビが降ってあるのが難点。邪魔でしかない。

日常フランス語会話ネイティブ表現 ([CD+テキスト])

日常フランス語会話ネイティブ表現 ([CD+テキスト])


○試験概要

A2までは全部1日で終わってましたが、B2からは筆記試験と口頭試問(オーラル)に分かれます。今回は、6月13日に筆記試験、6月27日に口頭試問でした。わたしは1日で終わってくれるほうがいいな。その2週間、低空ながらも緊張してなきゃいけないのがなんとなくいやだった…。


○各セグメントの難易度

A2のときとだいぶ印象がちがってきてるかも。体感的には、聴解>文書作成>オーラル>>>>>読解 って感じでした。おそらく、去年の秋と比べたら会話と読解にだいぶ時間割いてやってたので、聴解と文書作成が相対的に弱くなったんだと思う。読解だけいつも易しく感じるのは、日本人的な精読する勉強法に慣れてるからでしょう。


○聴解

正直、2週間前のことだから記憶薄れちゃってるんだけど…。問1から問3まであって、流される文章は会話文だったり何かの記事だったりまんべんなく。事前に問題用紙の質問文読む時間を与えられて、音声を聴いてからその短い質問文に答えるんだけど、事前に全部読解しきれないから、とりあえず「何の」文章が流れるのかを把握するので必死。「あ、道を尋ねるシチュエーションね」とかそのくらいしかできないです。それから、答える時間もほとんどないし、どんどん次の問題へ進んでしまうので、とりあえず3択問題とかはその場で埋めるに限ります。


○読解

大きく2問。ひとつは新聞記事みたいだった。もうひとつは…なんの文章だったっけ。やだほんとに思い出せない。とにかく単語がえらい難しかったのでぼんやりとしか意味をとれなかった。A2との最大の違いは語彙量だなあと痛感。仏語は1000語で話し言葉の90%をカバーできるっていうけど、逆に言えば利用頻度1000位以下の単語は、残り10%でしか出てこないわけです。もし10%わからないと、話の全容を理解するのはかなり厳しい。そういうちょっとニッチな単語に限って、与えられた問題文の主題だったりするんですよね。


○文書作成

課題は、あなたが好きなフランスの作品(映画や文学)について約180語で紹介してください、だったかな。わたしはマノン・レスコーについて書きました。物語のあらすじと、歴史的意味合いと、どうして好きなのかとかを書いたと思う。読解から文書作成までは一式で時間を与えられてるので、読解を半分くらいやってから文書作成やって、残り時間で読解に戻りました。日仏行きはじめてわかったことは、難しいこと言おうとしてはいけないっていうことですね。日本語だとちょっと他の人と違うこと言おうとしたりするけど、仏語でそういうこと狙うと大概言葉に詰まるので、今はまだぐっとこらえて「○○が好きです。○○は大切だと思います」って、言えることだけ言うようにしています。簡単な単語で深い意味合いを込めようとする言語、それが仏語だと思います。


○オーラル

オーラルが本当に苦手で苦手で、緊張して手が震えるほどだったんだけど、今回の面接官はにこやかでやさしそうな美人の女性だったので、それだけでだいぶリラックスできました。いやほんと、前回前々回は、我々当局があなたを職務質問するが異論はないな、みたいな冷たい感じだったんだよ…。
あいさつから入って、まず自己紹介。それから次は、与えられた2つのシチュエーションから1つを選んで役になりきり、面接官と会話をします。今回わたしが選んだのは「切符を買う時間がなくて特急電車に乗ってしまって、車内で切符代を払う」というシチュエーション。最後は、事前に準備室で与えられた2つの記事から1つを選んで、それについてスピーチ。わたしは「あらゆる人が情報発信できるこのインターネットの時代において、ジャーナリストの役割とは何か」(だよね…合ってるかな?)を選択しました。基本的には一人で話すんだけど、今回の面接官はわたしが言葉につまるとちょっと手助けしてくれた。まあやさしい人だからといって点数の甘さとは関係ないんだけどきっと。
あと、今回B1のテキスト読んでたら発見した、「面接官はあなたの意見に簡単に賛同してはくれません」って書いてあった。仏語だから結局読解しないといけないので、前回意味わかってなかったんだなきっと。だから、受験者が「わたしはこう思います」って言っても「本当にそうかしら。その結論まちがってない?」って言ってくるものらしいです。それに対してもう一歩主張できるくらいにならないといけない、っていうことですね。もちろんわたしはそんなことできるはずもなく…。


○総括

結果が出るのは2ヶ月後だけど、これは受からないな。筆記試験の時点でもう諦めました。全然解けた感触がしないんだもの。暖簾に腕押し?ぬかにくぎ?フランスっぽくいうなら、フレッシュチーズにサーベル?なんかそんな感じ。ちなみに50点/100点で合格。
でも今回は、試験勉強の仕方が妥当だった気がする。あとはとにかく語彙が必要。英語でいうターゲットみたいなテキストがほしいよ。でもないんだよね。
まあB1受かってなくても、秋にまた受けるだけです。


それから、これは完全に個人的な話。去年の秋季試験受けたのが、わたしのあらしコン初参戦の半月後。今回の春期試験の筆記が、あいば舞台終わってから3週間後。なんかすばらしくタイミングが良いんだよね。あの子の全力を目の前で見せられて「ちょっとわたしもがんばる!」って気合い入れなおすと、一ヶ月以内に試験がやってくるという。おかげで今回もがんばれました。緊張したときはみぞおちに手をおいて気持ち落ち着けたりして。完全にあの子がわたしの自律神経コントロールしてくれてます。ありがたいことです。

*1:2009秋季試験A2のときの様子はこちら http://d.hatena.ne.jp/annaprique/20091130