雨あがりの夜に

奈良の実家よりお送りしています。


故郷の一軒家で過ごす日本の6月は、湿度が高くて草の匂いが充満してて、慣れ親しんだ空気が肌に良くなじむ。昔は実家が嫌いだったけど、それは中高生のときの自分を思い出すからで、そこから随分遠くに来てしまった今では、案外ノスタルジーとかセンチメンタリスムとかなく、「ああ勝手知ったる町って快適だなあ」くらいに思ってる。


日本に帰ってきての所感。
街が清潔。ぴかぴかしてる。お金が重い。電車の中で警戒しなくていい。繁華街の音楽がうるさい。日本語の本が読み放題。お店の人が優しい(日本人が優しい、ではない)。日本人の女の子は洋服が可愛いけど顔が不健康そう(前は思ったことが無かった)。温水便座に感動。お風呂でお水をじゃぶじゃぶ使えることに感動。日本食がおいしい。フランスから持って帰ってきたフランスの食材は、こっちで作るとおいしくない。テレビがおもしろい。特にバラエティとドラマのクオリティの高さに驚く。日本語で笑える、って幸せ。


さて、これからどうしようか。わたしの手帳は7月1日以降まっさらだ。でも不安はない。数年先の人生の目標を立ててそこから逆算して、というやり方をすっぱりやめようと決めたので、今できることをするしかないから。今、というか今日、この時間にできてないことは、たぶん3年後にもできてない。なので結局、どこにいたってやることは同じ。サン・ラザール駅前のカフェにいても、この実家の畳の部屋にいても。