ロダン美術館

ロダンってやっぱすごいのな!ヌードデッサンが天才的にそそるんだけど!!


展覧会タイトルは『モデルを捕らえる』。事前情報ほとんど持たずに行ってみたら、最初から最後まで延々と300枚の女性のヌードデッサン。いやーおもしろかった。ロダンってちょっとだけ格式高いというか、時代的にはモダンの人なのに、他の芸術家たちとは一線を画して巨匠扱いされてるイメージだったけど、初めて大量のデッサンを見て180度印象が変わった。どの絵もすごい生き生きしてて、生々しい人間の質感がある。そしてモチーフと構図がたまんなく絶妙。セーター脱ぐ瞬間とか、胡座かいて片方の足投げ出してるとか。その量感というか、重力のかかり方がまたものすごいリアルなの。女性ってこういうところに重たさが出るよね!みたいな。主におしりとふとももね。「おしり」はひらがなで描きたい派。


なんかねー女の子のヌードを描きたくなった。女の子で裸体でベッド、っていうキーワードが昔から好きすぎるんだけど、オベリスク(裸の高級娼婦とかが優雅に横たわっていて足下に猫がいたりする絵)ってテーマとしては古典的なんだよね。でもその古典的な題材でもロダンのはこんなに魅力的だった。観察する目が違うから。だからこの目新しくないテーマで自分でやってみたらどのくらい違うのか、試してみたくなった。ロダンは彫刻業が本業だから、デッサンは対象を観察して人間の体つきを研究するための習作。だからものすごい荒いし、たぶん描くスピードも早い。でもその分、生身の女性の量感とか息づかいとかが勢いと一緒に閉じ込められている。じゃあAVでもいいじゃんって話ですが、自分の身体を一度通して対象を二次元に落とし込むところに醍醐味があるんだと思う。ちなみに今回結構女性の自慰のデッサンがあったけど、そんなに特別枠って感じはしない。その手のエロさでいったらシーラが最高にエロい。ロダンのは、ポーズの斬新さのほうがおもしろいので、鑑賞してて劣情とかは別にもよおさない。あとモデルと画家のあの特別親密な空気感ね。今回のデッサン集はロダン60歳前後のときの作品だから、地獄の門とか考える人とかを経てここに行き着いたんだと思うと、なかなか感慨深いよね。


ロダン美術館は今年4月まで本館が改装中で、そのためにデッサンだけの展覧会を開いてたみたい。その本館はビロン館って呼ばれるロココ様式の建物で、ロダンが住む前にはリルケとかコクトーとかマティスが住んでいたそう。本館が再オープンしたらまた絶対行く。