自分の市場価値

今日フランス語勉強しながら、すごいひさしぶりだなーってちょっと新鮮だった。そのぐらい机に向かって勉強してない。さすがにまずいんじゃないかと思う。


忙しさでいえば9月が一番ハードだった。10月になって一週間のスケジュールがおちついてきて、今思うのは、わたしは働きすぎだろうと。「働かなくちゃ、ただもう働かなくては!」ってチェーホフだっけ。そういう強迫観念がずっとあって、逆にいえば、仕事してるだけで義務を果たした気になってしまっている。目的は生活費を得ることなのに。でも今もう1年の3分の1をすぎてしまって、あまりに何もできていない現実に愕然。期間限定なのだからあんまり我慢しちゃいけないんだろうっていう気持ちと、どんな状況でも受け入れてやっていけるようにならなきゃって思う気持ちと、2つの間で葛藤してる。どこにいたって仕事はしなきゃいけないんだし。だけど、日本語学校が思いのほか理想的な職場なので、この良い環境のまま守りたいなあとも思う。学長や経営陣がフランス人で同僚は日本人って、とてもやりやすい。社会に出て初めてだよ。仕事が嫌じゃないの。学生時代のバイトから考えても初めて。


スガさんがオーガスタやめたのと、先日ドイツの先輩に働くということについてインタビューしたことに、じわじわと影響されている。二人に共通していたのは、「自分の《何》に市場価値をつけるか」を真剣に考えているということ。たとえばわたしにとって、日本語を話せるということと文学のディプロムを持っているということは、充分売り物になったわけだ。でも今までずっと、わたしは人と話すのもうまくないし、技術もないし、何するにも遅いし…とか足りないところばかり数えてた。でも別に、全部オールマイティにできなきゃ仕事につけないなんてことはなくて、「わたしはこれができます」って声を発してみて、世界中で50人でも100人でも、自分で自分につけた値段以上に求めてくれる人がいればいいんだってやっとわかった。今後の人生で大きな会社に勤めることももうないだろうし、かといって独立して仕事する自分も想像できないけど、今くらいゆるく組織に所属していて、かつ自分を指名してくれるお客さん(今なら生徒たち)がある程度いる、というのがわたしにはちょうどいい働き方なのかなあと思う。水商売と同じです。