ナビ派

電車の中で周りの人を見てると、若い人たちは携帯いじってて、会社員風な人たちは本読んでて、チャラい兄ちゃんは音漏れ全開でヒップホップ聴いてて、ってまあ日本とあんまり変わらないんですが、特筆すべきはおじさんおばさん数独率の高さ。やっぱり世界共通の通勤のお供なんだなあと思ってたら、あるおばさんの数独本の表紙に「SUDOKU」って書いてあったの!調べたら、日本の呼称SUDOKUで世界に広まってるらしい。しかもこれ、もともとはフランス発祥らしく、数学者のオイラーのラテン方陣の考え方から発達してるとか。思わぬところで日仏文化外交を見ちゃったよ。こっちで広まってる日本文化といえば、この数独とキティちゃんがツートップだと思う。


今日も日本語学校で他の先生の授業を見学させてもらってから、ポンピドゥーセンターの図書館へ。ほんっと、こんなに蔵書揃ってる夢のような場所へ無料で入れるだなんて、ポンピドゥー氏に感謝するしかない。仕事始めたらしょっちゅう来れなくなるかもしれないから、今のうちにいっぱい来ておく。今日は、こないだボナールの画集読んだ流れで、ナビ派のこと調べた。ナビ派ってゴーギャンの影響受けてるのか。知らなかった。モーリス・ドニの理論によると、描く対象を単純化して本質を描くことが重要で、色彩も描線ももっと表象的にするべき、というもの。だから、ボナールもドニも、油絵なのにちょっと版画っぽいんだね。しかし単純化して表象的にする方向を目指してるの?わたしはむしろ、ボナールの装飾的なところが好きなんだけど。いや、写真みたいな写実じゃなくて、平面的なイラストレーションとしての斬新さを追究したのなら、テキスタイルのお手本みたいなあの装飾性は、ドニの理論どおりなのか。フランス語で一生懸命辞書を引きながら読んでるので、一度に読める情報量が少なくて、疑問が次から次へと沸いてくる。わたし、正直フランス語でそんなに会話できなくてもいいから、文献たくさん読めるようになりたい…。