最初の週末

土曜日の朝は駅前にマルシェ(市場)が立つらしいので行ってきました。あれすごい楽しい。野菜から果物から魚・肉、オリーブ、豆、雑貨、洋服、家具の修理までたくさんお店が出てて、ジョエルが「チーズを買うならこの店、野菜を買うならこの店」って教えてくれた。野菜も果物も全部新鮮で、お店の人と「サクランボはもうすぐ季節が終わってしまうわね」「ムール貝はオセアンヌが好きなんだけど、また今度ね」とかって話しながらお買い物するの。わたしもブロッコリーと赤キャベツと名前わからないけど白身魚とクスクスを買った。クスクス、ちょうおいしいよ。今のところ、食生活にはほとんど問題がない。梅干しも納豆もおみそ汁もなくてもけっこう平気。
午後は、渡仏前から楽しみにしてたゲイパレードへ。これもまたすごい光景だった。大通りをレズビアンの少女たちが下着姿で抱き合いながら歩いてたりするの。めっちゃ興奮して胸が高鳴った。レズの女の子たちってなんであんなに可愛いんだろう。パレードはとにかくすごい熱気で、楽器鳴らしたり踊ったり、ちょっと参加したくなるくらい楽しそうだった。パレードを行進してる人はみんな虹色のフラッグとか虹色のペインティングをしてて、それがゲイの共通ビジュアルらしい。でもそれぞれ主張してることはちょっとずつ違っているようで、真面目にゲイの法的な権利を主張しているグループもあれば、エイズへの意識を啓蒙するプラカードを掲げているグループもあるし、ただ単にお祭り!みたいな感じでコスプレしたり車の上で腰をくねらせたりして盛り上がってるグループもあって、いろいろ。でも街の人がみんな好意的で、見物に来たカップルがそのまま行進に加わってたりして、ほんと楽しそうだった。こういうところ、リベラルで良い国だなあと思う。
夕方は、オセアンヌのクラシックバレエの発表会へ行って来た(今日は忙しかった)。オセアンヌは町のコンセルヴァトワールに通っていて、バレエも歌もフルートもできるの。バレエはすごい本格的ですばらしかった。なにより、客席のパパたちやママたちが、1曲終わるごとに「ブラボー!!」って拍手喝采で口笛を鳴らしたりするので、子どもたちは嬉しいだろうなあって思う。でもオセアンヌは、舞台上からずっとパパのことを探してた。ジョエルは、ザイール人の男性と結婚してからオセアンヌをカリブから引き取って、その後離婚してるんだけど、毎回オセアンヌの発表会には元夫の彼が来てくれることになってるらしい。でも今日は来てくれなかったそうで。彼女はまだ8歳だけど、こんな感じで自分の境遇が複雑なことを理解しつつ、なおかつママが愛情をたくさん注いでくれてることを知ってるから、無邪気だけどとても大人っぽい。今夜もいっしょにアニメのDVD見ながら(わたしのリスニングの勉強にもちょうどいい)ちょっとあくびをしたら、「あつこ、疲れた?」って気遣ってくれるの。彼女こそ発表会終わりで疲れてるはずなのに。もうすでに可愛くてしかたない。彼女はきっと良い子に育つだろうなあ。

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ところで、こっちに来てからときどき写真をとってはいるんですけど、わたくしどうやらPCとデジカメを接続するケーブルを日本に忘れたようです。実家に送った荷物のどこかに入ってると思うんだけど…母ではわからないだろうなあ。というわけで、写真をアップしたいのですが、今は手段がなくてですね…。ちょっと方法考えます。