堺雅人の手ははたして大きいのかどうなのか」という問題がありまして。堺さん緊張するとよく首の後ろをかいたり頬とかあごに手をやったりするから、それ見ててずっと手が大きい印象があったんだけど、実際はそんなに大きくない、顔が小さいんだ、というのがお友達との共通見解です。あとよく膝に手を置いて背筋まっすぐするあの姿勢で、遠近法で手が大きく見えるのもあるんじゃないかとも思ったり。でもなんか知らないけど、あのひとの手はすごい存在感あるんだよねえ。


この武士の家計簿露出ラッシュ(ぶしかけ、というと、かつおぶしのふりかけみたいでなんかなじめない)でいろんなところに出てたけど、いまだに「いつも微笑んでいる堺雅人さん、怒ることはないんですか?」って訊かれるんだね堺さん。その返し方で最近多いなと思ったのが「自分の表情についてはある程度セルフコンシャスがあると思うんですけど…」っていうやつ。そのあと「もともとこういう顔みたいで」っていう例のくだりになるんだけど(高校の演劇部の話とセットで何百回も言わされてかわいそうに)、「セルフコンシャス」の話はおもしろいなあと思った。


あのひとのまぶたで語る表情とか、瞳が揺らぐとことか、喉仏が上下するのとか、上目遣いで三白眼になるのとか、全部意識して作ってます!っていうことだよね。何がおもしろいって、そうやって堺さんは自分の身体を演技の道具みたいに扱うところ。太ったり痩せたり、いきなり煙草やめたりいきなり肉食になったり、熱出したりお腹こわしたり、そういうのを全部演技に利用しようとするのがほんとにおもしろい。その一方で生活は規則正しくて丁寧な感じがするし、チョコレートは吹き出物出るから食べないとかいうし(このエピがだいすき)、あのひとの身体観は「俳優である」というその一心で首尾一貫しすぎてて逆にこわい。過剰にストイックな感じもしなくて、ふつうに食欲も睡眠欲もあるのに、それが満たされないときにもその感情をマインドBの堺さんが冷静に観察してるっていうか。思うに堺さんのなかには、人格が何層かあると思うんだよね。そのなかでも特にサディスティックなところとマゾヒスティックなところがどっちもあって、それが他者に向かないで自分のなかで両方こなしてる、という。さすがSM(イニシャルが)。


…すいません、久しぶりにパブリックで書いてみたらなんとなく書きづらくて冗長になってる。ここまででまだ前段なの。もう少し続けます。


手フェチというのは女子の定番のフェティシズムだけど、わたしが堺さんの手が好きなのは、堺さんの手だからだと思う。誰の手でも良いわけじゃない。それでそのセルフコンシャスの話の延長なんだけどね、堺さん、表情筋は豊かに動くのに、身体は体育2じゃない?ほんとさー、ゴールデンスランバーとかでも走ってる姿がいかにもどんくさいんだよねw 全然走れないわけじゃなくて、むずむずした残念さが垣間見えるのが、体育1じゃなくて2って感じでw あいばさんとか見てると、ほんとふつうにしててもちょっとした動きの自然さで「あーやっぱりこういうところで運動神経の良さって出ちゃうよなあ」って思うんだよね。そういえば、舞台挨拶の最後で若干小走りではけていったんだけど、その後ろ姿がまたぎこちなくてさ、そこがちょうかわいくてさ、うんまあここは萌えポイントですからそれ見て身悶えてたんですけれど。


で、ですね。はたして堺さんの「手」の演技は、「顔」と「身体」のどちらに近い演技なのか、ということを考えているわけです。カメラマンとか画家とか職人仕事に徹する手、なめらかな運筆で筆を走らせる手、指先だけで人を殺す手、淡々と靴下脱がせて足の手当てをする手、女優さんの身体をなまめかしくまさぐる手、これらが全部、表情を意識するのと同じように計算して手で演技しているのか、それとも元来の運動神経の鈍さ(…っていうとちょっと言いすぎでかわいそうだから、なまくらさ、とかにしとこうか)を隠し切れないのと同じように、手の素の表情が出てるのか、どっちなんだ!っていう。どちらにしても、身体全体は若干の鈍さがいなめないのに、手だけ器用とかなにそれエロい。あ、「食事シーンはラブシーンとちょっと似ている。脚本上コトバにできない情報がおおく、個人のクセが出やすい」ってこれCREAだったかな、ちょうお気に入りの言葉w


関係ないけど、わたしが小さいころやってた習い事は、ピアノと茶道と習字とそろばんでした。(そう、実はそろばんやってたの。たしか2級)今思えばとことん手元を指導される習い事ばっかり。そのせいなのかな、この執着心は。ってふと思った。


ここまで長々と書いていて、何が言いたいかというと!
家計簿の本編最後でそろばんを「ねがいましてーはー」ってぴーってやる手は堺さんの手だと思うんだけどどうなの!?っていうことです。たぶんそうだと思うんだけど、あんまり自信はない。というところから、わたしは堺さんのあの手を単品で好きっていうよりも、堺さんの手だから好きなんだろうなあと思ったわけです。
こういうとき、堺さんがラジオやっててくれたらって思う。誰かが聞いてくれたら答え合わせできたりするし。わたし、ついったーよりもブログよりも、堺さんにラジオやってほしいの。ゲストとかインタビューじゃない堺さんのおしゃべりが聞きたいから。AMとかで、深夜に聞くと優しいテノールの声に眠くなっちゃうんだけど、ときどきテンション上がって甲高い声でケラケラ笑ってスピーカー音割れして、トラックのおじさんに「うっせえよ!」ってチャンネル変えられたりして。第一回のゲストは副長でお願いします。そんで、月イチで来て「山南さんだけだよ、すぐメール返してくれるの」ってぐちって帰ってくれればいいよ。夢は広がるね(最後、手の話関係ない)