日々是勉強の役者生活


昨日お友達から見せてもらった昔の堺さんの記事に感動している。ひとつ前のエントリで「あのひと、文・堺雅人を始める前はどうしてたんだろう」って思ってたら、まさにその答えが書いてあったから。


2000年6月演劇ぶっくより。持ち物見せて!っていう企画で、堺さんはモノクロ1/2ページ。見出しは「日々是勉強の役者生活」

今は中国語用のノートですけど、これが舞台になると舞台用になります。中には役のこととか、愚痴とか(笑)。大体1公演1冊ペースで。読み返して何かの指針になれば、って思うんですけど、終わって読み返してみると『こりゃだめだぁ』って(笑) 大抵捨てるんですけどね。いやなことがあった時とか煮詰まった時にまとめて棄てたりしてます。こんなちまちま書いてるから立派な役者になれないんだぁーって(笑)


捨てちゃうとか!捨てちゃうとか!なんてもったいない…!!!!!
そんな貴重な文献、一生保存しといてよ!国会図書館日本銀行の金庫とかに早いとこおさめて、厳重なセキュリティであらゆるリスクから守るべきだったんじゃないの!国家の財産としては、世阿弥風姿花伝堺雅人の大学ノートかっていうレベルの演劇哲学書ですよ。読んでないけどおそらく。ああもったいない。

なにがいちばん惜しいかってさー。山南さんで注目されてナビで連載始めたからさ、山南さんのころの「役のこととか、愚痴とか(笑)」を書いたものを見たことないんだよね。インタビューではいろいろ言ってるけどさ、その考えに行き着くまでにどう試行錯誤してたのかとか、その軌跡をあのひとのちんまりていねいな字で読みたいじゃない。そういえばこの前、森博嗣の手書きのアイデアラフを見せてもらう機会に恵まれたんだけど、あんなにクレバーなひとでも最初はぼんやりしたイメージから少しずつ設計図に落としていくんだよね。堺さんの文章も設計図っぽい気がする。あのひと文系だけど、まず理論があって実践で試して、少しずつ調整して、って堺さんがいつもやってるのは、文学よりもむしろ工作にちかい。だから、作品が完成したらもういらないんだろうね。三谷さんも過去の脚本とか全部捨てるから持ってないっていってたし。しかし「こんなちまちま書いてるから立派な役者になれないんだぁー」って、どんだけかわいいんだまさと!!



それにしてもこの記事、ほかのところもちょうおもしろいよ 笑

舞台『ビューティフル・サンデイ』の舞台を終えて“オフモード”の彼の持ち物はいたってシンプル。舞台をやる時には大体その関連図書を読むとのこと。「この間のは三島由紀夫(笑)。ゲイの役だから。単純でしょ(笑)」

ヒロくんやりながら三島由紀夫読んでたのか!それでよくあんなに平和な舞台できるな!!

写真に写ってる持ち物:
中国語検定3級の参考書3冊、辞書、リスニング勉強用のウォークマン(カセット!!) リングノート(コクヨとかじゃないクラシカルなノート)、単語カード、安楽椅子探偵の台本、高村薫の『李歐』、デジタルメトロノームチョコラBB


…もうどっからつっこんでいいのかわからないけど、とりあえず2000年ってMD全盛期も過ぎてたんじゃないですか。わたしカセットのウォークマンとか使ったことないよ。あと中国語検定持ってるとか初めて知りましたけど。このころ暇だったんだなまだ^^(オードリーよりも前だからね)それから、本文中ではまったく触れられてないけど、安楽椅子探偵の台本が写りこんでた。ほんとに次のお芝居のことばっかり考えてるんだね、このひとは。


ちょっとわたし、2004年以前の堺さんの演劇雑誌をこれからなるべく蒐集することにするわ。おもしろすぎるもの。