コーヒーショップのホスピタリティ


最近ちょっと興味深く思ってることなど。たいした内容ではない。


土曜日の仏語の授業の後、もしくは日曜日の夕方、週のうち少なくともどちらか一度は最寄りのスタバに行くのですが、その時間必ずいる男性の店員さんとの距離感がとてもおもしろい。
「コーヒーをひとつ」「マグカップでお出ししてよろしいですか?」っていう最低限の会話しかしない。それが一年くらい続いてる。いま上島珈琲店が改装中なのでスタバに行く頻度が高くなったけど、ときどきコーヒー豆を買うときに少し長めに話すくらい。名前も知らない。シフトはなんとなくわかってきた。わたしのほうも、春夏秋冬コーヒーのホットしか頼まないことを覚えられてる。しかも友達にあらしの写真を見せてもらいながらきゃあきゃあ言ってたことがあるので、おそらくオタバレしてるという。生活圏内ならでは。
こういう距離を保ちつづけてそれ以上踏み込んだ会話をしない、というのがとても良いと思う。わたしは結構誰にでも躊躇なく話しかけてしまうけど、この人とはそういう親密な会話をしないというマイルールが自分のなかでいつのまにかできてる。その人かわたしかどちらかが切り出したらすぐ仲良くなれそうなところを、あえて店員と客という一定ラインをお互いに守り続けてる、この絶妙なバランス。たぶんその人、実際親しくなったらすごく優しいお兄ちゃんなんだと思う。たまにその人が女性のお客さんにつかまったり後輩の子に指導したりしてるのを遠くから見ては楽しんでる。
接客業というのは、こういう距離でお客さんと接するべきだと思うんだ。わたしはあんまり馴れ馴れしくされるのも好きじゃないし、ひたすらビジネスライクに徹されるのもなんとなくやだ。カウンターごしにオーダーを受けて商品を提供する、それ以上に踏み込まなくてもいいから、まずは業務用の声じゃない自分の声と言葉でお客さんを迎えること。それがわたしの望むコーヒーショップのホスピタリティ。この人に関しては、深く会話をしなくても、「お店のスタッフ」というより「この店員さん」に迎え入れられてる感じがするので、なんとなく好意的に感じるんだと思う。


ところが今日、わたしが入ろうとしたらその人が私服でお友達とテラスに座ってて、あっ、て気がついた瞬間、お互いに会釈してしまった。勤務時間外だったんだろう。でも笑顔を交わしただけでそれ以上はない。良い人だ。