AFFAIR
音楽聴いててさ、そこだけ強烈に入ってくるワードってあるよね。
たとえばスガさんのAFFAIRという曲。
あなたが思うよりも この想いは限りなく深い
AFFAIRは発売当時に立ち会ってないから後追いで、いつも歌詞見ないで聴いてるばっかりだったんだけど、この部分の表現がすごい暗くて情熱的で、この愛の深さ=AFFAIRだった。それが、今日イヤホンで聴きながらいきなり気づいた。この歌詞の前、
「最後にひとつだけもし君に酷い言葉残せるなら」
あなたが思うよりもこの想いは限りなく深い
だったのね。びっくり。でもすごい感動した。
*
スガさんの2000-2001年頃の曲は特別好きだ。好きっていうか、唯一無二で代わりがきかない感じ。スガさんがスランプに陥ったという時期だね。おかげでカップリングだけを集めたSugerlessという名盤が出来た。後ろめたさとか自己嫌悪とか届かない想いとかそんな曲ばっかりなのに、とにかく愛おしくてときどき無性に聴きたくなる。
アイドルソングを聴いてると、それこそ否応なく気持ちが高揚するし楽しくなる。声聴いてるだけでもいいなぁ、好きだなぁって思う。まるで明るいところから引っ張りあげられるような。でもスガさんの場合、特にこの頃の曲にはそういう前向きな効用はなくて、単に「ああ、これわたしだ」と思う。だから上がらないし下がらない。スガさんを人間としてどう思うかとか男としてどう思うかとかも、あんまり考える必要に駆られないので気楽(こんなになんでも歌にする人と付き合いたくないな、とは思うけど)。ただ、…うーん、似てるというのは違うけれど、わたしが気づかない振りしてたこととか、言葉にできなかった本音とか、いきなりみぞおちのあたりの膿をグッって掴んでくるので、「うわ、なんで知ってるの」っていつも感心する。あーわたしの感情はこんなところにあったんだ。みたいな。ふだん自分にはめてる枷を外してもらって、その枷でできた擦り傷をさすりながら、落っことしてきた感情を拾いにいくような感じ。まあスガさんも、気づいてしまった本心をそのまま恋人とか周囲の人に口に出して言ってはいけないってわかってるから、代わりに歌に吐き出してるんだろう。常識人だよね。女々しいところとか欲深いところをきちんと隠せる常識人。「あなたが思うよりもこの想いは限りなく深い」も、言ってはいけないし、言えないし、わたしだったら言われたくないしね。だから、最近のコノユビトマレとかいい曲っぽいのに対しては、別にシカオちゃんが歌わなくたっていいじゃん、って思う。あの人には抽象的な歌じゃなくドキュメントを歌ってほしい。ちなみにわたしがスガさんらしさという意味で好きなのは、「めんどくさいから話し合いとかしないよ 壊してしまうほうが楽だし」という歌詞。気まぐれ。
5月にアルバム、6月からホールツアー。なんか、贅沢なことだなぁと思う。主に、初回盤の予約とかチケット取りとかにおいてびくびくしなくていいところが。どうしてもわたしひいちゃうんだよね。掲示板とか見てても、世の中にこんなに欲しがってる人がいるならどうぞそちらへ…って思っちゃう。大学受験のときに試験の解答テクみたいなのを教えられて「それは学問の本質じゃないでしょ」って思ってたのに近い。それでもやらなきゃ手に入らないものもある、ということだとわかってるけど。
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