ハゲタカ


トラックの運ちゃんから、今度は外資系ファンドの社長。


ハゲタカ DVD-BOX

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このハゲタカのプロデューサーが、龍馬伝武市半平太役に南朋さんを推したという話がある。武市半平太…「組!」のときの山南さんを彷彿とさせるんだよね。冷徹なやり方は土方だけど、ドラマのなかの「武市の中の人、こいつ誰だよ!」的なポジションが。


そのハゲタカ。抱腹絶倒らしいキャスターの人も後回しにして観ちゃったよ。すごい、おもしろい。金融に詳しくないわたしでも引き込まれた。脚本と役者陣と演出がどれも一流で、なおかつ挑戦的。2005年から脚本練り始めて、堀江氏や村上氏の逮捕劇の後にこれを放送したらしい。すごいなNHKNHK教育ばっかり観てる場合じゃない。


そもそも、鷲津に南朋さんを使おうというのがチャレンジだろう。放送当時わたしのまわりでハゲタカを観てた男性が何人かいて、わたしが「そのドラマ観たことないけど大森南朋が主役のやつだよね」っていうと、「名前は知らない」ってみんないうのだった。けど南朋さんちょうはまってた。途中、南朋さんだっていうのを忘れて鷲津として見入ってしまったよ。徹底した合理主義、強いリーダーシップ、鋭い視線、ときどき揺らぐ表情、メタルフレームの眼鏡(最後はそこ)。南朋さんはさ、眉間と額で演技するひとなんだよね。だから高級な眼鏡をかけて非情なファンドマネージャーを演じているときでも、一瞬鷲津の眉間のあたりに揺らぎが生じてるのが見えたりすると、それがすごいぎゅんぎゅんくる。(ちなみに堺さんも本心見せない系の役者だけど、あの人は喉仏で演技をする)


眼鏡とスーツ。鷲津の小道具の使い方、あれが策略の一環なのはわかってるんだけどさ、わかっててもぐらぐら落ちるんだ。第5話、NY本社に邪魔されて鷲津の別荘に中国人社長が来なかったときのあの苛立ちよう、眼鏡を乱暴に外して背広を脱いだあの一連の流れに母性本能がくすぐられた。ヴァイブレータのときはエロスなシーンになるとテンション上がったけど、ハゲタカでは鷲津が苛々してるのを見るとわたしは嬉しくなるみたいだ。葛藤男子好きの血が騒ぐ。


全6話なので、あと1話。しばらく鷲津のオフショット(そんな楽しいものじゃないですね、でも水死体だとしてもノン眼鏡というだけでアガる)が続くそうなので楽しみだ。


あ!早く仏語の授業行く仕度しなきゃ!そのうち南朋さんのがさがさした手に宿る色気について語りたい!