デルフ


DELFには魔物が棲んでいる。


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昨日、DELF2009秋期試験のA2を受けてきました。
前回受けたのが2006年だったので、あの緊張感忘れてたよ。聴解でまずこちらの余裕を奪いつくされた。そしてオーラル受けた後、なんか落ち込んだ…。自分の出来なさと、その出来なさをわざわざ知らしめようとしてるような雰囲気に。自覚してるんだから、もうちょっと表面取り繕ってくれてもいいじゃん!わーん。


DELFは試験対策の情報が少なくて、あったとしても仏文なので結局読解しなきゃいけないんですよね。なので、以下は個人的な記録ですけど、それでも誰か今度受ける人の参考になればと思って、書き残しておきます。


○申込

当初はB1を受けるつもりでいたのですが、申し込み期限ちょっと前に日仏学院の東京校で申し込もうとしたら「B1は満席です」って言われました。満席ってありえるんだ…!そんなの予想してなかったのでびっくり。それでひとつ下のレベルのA2を受けました。まだA2も取ったことなかったし。(ちなみにその後わたしは国民的アイドルにのめりこむことになるので、B1だとたぶん無理だった)


○試験勉強

そういうわけで、気持ちはB1受けるくらいの前のめりな勢いでいたため、B1のテキストで勉強していました。
これが公式認定参考書です。

Reussir Le DELF Niveau B1

Reussir Le DELF Niveau B1

聴解、読解、文書作成、口頭表現(オーラル)、と4つの能力を問われますが、このテキストで勉強中、発狂しそうになりました…。難しすぎて。


学習時間の目安、というのが公式サイトに載っていますが、あまり参考にならないです。一応「DELF A2:約170h」「DELF B1:約330h」と書かれていますけど、計算上では、大学で第二外国語で仏語選択+専門でも継続して仏語学習してた人は、自習時間入れなくても300時間以上になるはずなんです。が、それでB1に手が届くかというと、全然たちうちできない。
上の例(専門でも仏語必要だった人)はつまりはわたしの場合ですが、卒業後なんとなーく続けてた4年を経て、半年前から週末ちょっと本気で勉強しはじめた人が、やっとA2受けられる、っていう感じです。ただし半分独学なので、みっちり授業受けてる人とは進度がちがうと思いますが。


○各セグメントの難易度

A2の場合。たぶんわたしが日本人でほぼ独学だからだと思いますが、聴解とオーラルがとにかく難しくて、読解が簡単でした。
聴解・オーラル>>>>>>文書作成>>読解 という感じ。


○聴解

聴解は、まずシートにある問いを先に読む時間が非常に短いです。何の情報を聴き取らなきゃいけないのか把握する前に再生されます。そして、回答時間も短い。どんどん次の問題へ行くから、「今の単語なに!?」って考えてる暇がない。あと当然だけどナチュラルスピードなので、あの速さだとわたしには疾風の音にしか聴こえません、いまだに。


○読解・文書作成

読解は比較的楽でした。時間も余ったくらい。受験英語で勉強し慣れてるおかげだと思います。ただ、文書作成に落とし穴が。
わたしはフランス語についてはとにかく話せるようになりたいので、書く練習の優先順位が低かったのもあったのですが、喋れることは書けるかというと、そこが英語とフランス語の違いで。フランス語って読むときに単語の語尾をほとんど読まないので、読むときは意識的に語尾の子音を見ない癖がついてしまうのですね。それでいざ文章で書こうとすると、動詞も名詞も語尾のスペルがあいまい。もっとひどいと、フレーズは声に出せるのに単語の切れ目がわからない、とかもあります。リエゾンとかまるごと音で覚えているとそうなっちゃう。まぁ自分では厳密に正しく書けなくてもいいと思ってるんですけど、試験勉強的には問題ですね。


○オーラル

オーラルは、最初の自己紹介で一ヶ所通じなくて怪訝な顔をされた瞬間、心が折れそうになりました…。思い出したくないくらい。
問題は3問でした。
(1)自己紹介
(2)モノローグ:「夜、友達と遊びに行くならどこに行きますか?」を選択
(3)会話:「面接官がフランス人の子どもの役を演じるので、下記の3つの場所のなかからどこか案内してください」を選択
ノローグも辛かったな。2分半、とかそのくらいなんだけど、原稿準備してないと2分も喋れない。結局面接官の女性が質問を返してくれたりして、だんまりにはならなかったけど。
会話は…あれはどうなんだろう。わたしは選択肢のなかに「美術館」ってあったので、とくいぶんや!って思って、「今なら渋谷でロートレックやってるよ。フランス人の画家だよ、知ってる?」って一生懸命話したら「わたしは子どもだから興味ないです」って言われました。冷たい。それで、「水族館はどう?」って言ったら「行きたい」って言ってくれたので、一件落着。でも子どものこと考えて選んでない、って評価されるのかなぁ。いいじゃんねーBunkamuraミュージアム

あと最後に部屋を出るとき、「ありがとう」は言ったけど、「さようなら」を向こうから先に言われてしまいました。あれはたぶん減点だな。反省。


○総括

やっぱり机上の学習では限界があるなぁと実感。仏検と圧倒的にちがうのは、DELFは実践的な語学力を測る出題の仕方に長けてる(めっちゃ上から目線だな自分!)。前置詞がどうとか、動詞の活用とか、そういうのはもちろん勉強するべきだけど、結局「仏文のテキストから必要な情報を拾えるか」と、「仏文で言いたいことを伝えられるか」という2つが出来るかどうかが、フランス語文化圏で生きていけるか否かの目安ということですね。

まあでも、試験のために勉強しているのではないから、これを目安にしてまたがんばります。とりあえず何からしようかな…伸びしろあるのは聴解かな。
あーあいばさんがフランス語しゃべってくれたら完璧なのに
とか都合のいいこと思ってごめんなさい。