読書の夏、ニッポンの夏


週末に読んだ本たち。



外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

千野栄一氏といえば、クンデラの『存在の耐えられない軽さ』の訳者。わたしが能動的に「学問」に足を踏み入れたのは、この本が最初だったといっても過言じゃない。クンデラのあのどこまでも深く掘り下げていく自問自答を翻訳するのは絶対大変だったと思うけど、千野氏は文学者じゃなくて言語学者だったのね。チェコ語もフランス語も日本語も、構造的に分析できている人だから、あんなにドライで読みやすかったんだ。
この本も軽妙な語り口ながら全体の構成がとても整理整頓されてて、すんなり頭に入ってきた。ほぼ独学で英語以外の語学を勉強している身にはすっごく役立つ実用本。「語学が本当に苦手だった」という千野氏が試行錯誤の末に構築したコツが詰まっている。コツというのはつまり、さくさくと優先順位をつけて、無駄な作業を減らして早く目標に達するための方法。ちなみにフランス語は1000語で話し言葉の90パーセントをカバーできるらしい。日本語は一万語でようやく90パーセント。そういう情報だってとても有用。そしたらフランス語は、語彙たくさん増やすより、頻出単語の使い方を徹底的に習得したほうが良いってことだから。



考えなしの行動?

考えなしの行動?

森博嗣が去年「翻訳の仕事をしている」といっていたのがコレだった。おもしろい。「本書は『発想力』を育むためのドリルである」確かに。両手がふさがったとき、一瞬わきとか口に挟むよね。電車内で文庫本を読んでて乗り換えの駅に着いたとき、読みかけのページに人差し指でブックマークするよね。そういう、無意識や習慣でする行動をとにかく観察して発見する、という本。葛西薫さんも言ってたけど、デザインするのに他のデザインを見たらだめなんだ。広告デザインならその商品についてひたすら考えるべきだし、IDEOがやってるようなプロダクトデザインだったら、人の行動についてひたすら観察するべき。これ読んでから外に出たら、世の中が全然違って見えた。ほんとに。



っポイ! 27 (花とゆめCOMICS)

っポイ! 27 (花とゆめCOMICS)

下で出てくる漫画を探してたら、新刊が出ていたので買った。そうやって買いつづけている漫画は、コレだけになりました。(あと1冊『彼氏彼女の事情』があったけど、最近大団円でフィナーレを迎えた)わたしが小学6年生のときからずっと集めているから…もう15年かぁ。最近は卒業式前後の1週間に3巻分くらいかけてるけど、まだ終わってほしくないよ。コドモからオトナになるまでずっと一緒に過ごしてきたんだもの。平と万里には永遠にいちゃいちゃしててほしい。わたしのチーム男子好きは年季入ってます。
ところで27巻目にして初めて感じたんだけど、万里が好きなのって、平のお母さんなんじゃないのかしら。万ちゃんも平ちゃんも成も和もお父さんもすべて優しく包み込む、聖母マリアのような存在。「カンペキなんだよなぁ昭さんは」うん。昭さんだったら15年越しのわたしの憧れの人を譲ってもいい。でも心にしまっておくだろうね万ちゃんは。カンペキなのは万里のほう。そういう万里がときどき不安定になるのを見るのが大好きだ。この巻のSECRET BASEみたいに。
そういえば下の漫画原作のドラマやる人が、かつてこの漫画のドラマ化で万里役やったらしいね!あーゆるせない。見てないけど、当時見てたらいくらあいばちゃんでもたぶんゆるせない。もし今やることになっても万里はだめ!ぜったい!



マイガール 1 (BUNCH COMICS)

マイガール 1 (BUNCH COMICS)

その漫画。ですが、だんだんこっちで書くことにはずかしさを覚えてきたので、別館用意しました。

▼理屈じゃないよね
http://d.hatena.ne.jp/tempete/

タイトルはご存知あいばさんの名言からです。以上!あとは引っ越し先で。