電信柱は好き?嫌い?


男の話ばかりですみません。でもこんなに頻繁にエントリ上げたの、ブログ開設以来です。
脳が熱暴走しててカラッカラになりそう。



じゃあ、といいつつ別の男性たちの話を。
先週、葛西薫さんと水野学さんのトークショーに行ってきました。



 『葛西薫さん×水野学 トークショー
 日時:2009年7月9日(木) 19:00〜20:30
 出演:葛西 薫+水野 学 進行:松下計
 会場:東京ミッドタウン・デザインハブ



葛西薫さんの作品はこれまでたくさん見てたけれど、ご本人も素敵なひとだった…。
思ったよりも年上だったなぁ。雰囲気は建築家っぽい感じ。


水野さん、スーツ着てた。髪もさっぱりさわやかで。
話し方がいつもとは全然違って、葛西さんにすっごく敬意を払ってたのが印象的。
あんなに「好きです!尊敬してます!」って言われたら嬉しいだろうなぁ。
水野さんは、頼れる兄貴にもなるしかわいい後輩にもなるし、
フォーマルにもカジュアルにもすんなりなじむし、引き出し多い人だ。





トークショーは、まずJAGDAの審査会で水野さんが葛西さんの作品を推した話から始まって、
水野さんが好きな葛西さんの作品、葛西さんが好きな水野さんの作品を
スライドショー見ながら進められました。
(全然関係ないけど、スライドショー作ったの、いつものgdcのデザイナーさんじゃないのかな?
 こないだの青山ブックセンターのときのほうがきれいだった気がする)


水野さんが推したっていうのは、このANDO GALLERYのロゴ。



  



「A」が正円じゃなくすこーし四角いのが良いよねぇ。
こんなにシンプルなのに美しくて独創的。
ちなみに「A」と「ANDO GALLERY」の間の空白も含めてロゴなんだって。
この配置を生かして作ったっていう展覧会の案内状がまたきれいだった。



2人はいいこといっぱい仰ってて、わたしはたっくさんメモしたんだけれど、
最後に「お互いへ質問をしてください」ってなったときに出てきた5つの質問が素晴らしかった。


 水野さんから葛西さんへ5つの質問


 1.昔、「このデザインについて僕は全部説明できます」ってプレゼンしたっていう噂は本当ですか?
 2.ここ数年の日本のデザインをどう思いますか。また、どうすれば日本のデザインがさらに良くなると思いますか。
 3.仕事をする上で一番大切にしていることは何ですか。
 4.葛西さんは「間」についてどうお考えですか。
 5.最後に水野学に一言!お願いします。


 葛西さんから水野さんへ5つの質問


 1.父親になって変わったことは何ですか?
 2.(忘れてしまいました。ごめんなさい)
 3.電信柱は好き?嫌い?
 4.「オマージュ」「サンプリング」「真似」の違いを教えてください。
 5.もし、人生あと1曲しか聴けないとしたら、その曲または歌は?

(後から思い出してメモしたので、細かいニュアンスとか違ってるかも)


いつもこういうトークショーって、会場から質疑応答の時間があるんだけど
質問するのってこちらの能力とか知識の水準がすぐにばれてしまいそうで、わたしは絶対できないんだよね。
他の人を見ていても、貴重な公開の場で誰かに質問をするということを、きちんとできる人は少ない。
それを問うことで何を相手に考えさせるのか、そこから派生してどんなおもしろい話題が広がるのか、
そこまで見計らって相手に問わないと、自分が惨めになるだけだと思う。



というようなことはわたしがひとりで考えていることであって、
お2人はどう思ってこの5つにしたのかは判らないけれど、
それぞれの問いに対する答え以上に、その問い自体がおもしろかった。


一番のお気に入りはこれ。


3.電信柱は好き?嫌い?


なんでも、ベテランデザイナーたちが集まったときに
亀倉雄策さんが「日本中から電信柱をなくしたい!」って仰ってて、
その場の雰囲気では「そうだよな!」って感じになってたんだけど、
葛西さんはひそかに「いや、電信柱だけは守りたい」って思ってたんだって。


水野さんはすっごい悩んでて、「好きか嫌いか難しいけどあの形は気になる」くらいの返答だったと思うんだけど、
わたしも一緒になって悩んじゃった。
電信柱は、ランドスケープを考えるときには邪魔なものだと思うんだよ。
でも今や日本の風景には欠かせないものでしょう?
そういうものを排除していいのかっていう、いわば「キッチュ」の問題が含まれているんだよね。
トークショーではそんな話にならなかったけど。
やっぱりデザイナー同士だから、もっと実践に即した話が多かったしね。



今回も水野さんは最後まで会場にいたけど、結局話しかけられず。
話しかけたの、最初に話聞きにいった一回だけだったなぁ。
あのときに質問したこと覚えてるけど、はたしてあれはどう評価されたんだろう。