芸術家とデザイナー(前編)


ここを更新しているときは、だいたいパソコンで何かを
制作しているときだと思ってもらってまちがいありません。
まだ四谷ASの作品が完成していないので頑張っていますが、
会社の仕事が期末の終わりが見えて落ち着いてきたので、
ようやく重い腰を上げて仕切り直ししているところです。
何かをやり遂げるために一番重要なことは、最初にやる気を出すことだと実感します。



さてさて、四谷ASの作品を仕上げなきゃ、という課題はあるのですが、
時間の余裕がないときには、つい消費者側にまわってしまいます。
映画を観たり、本を読んだり。
突然『イケメン☆パラダイス』にはまって夜な夜なDVDを観つくしたりとか…。
おぐりしゅんのために観始めたんだけど、あれはラブコメの傑作だよ!
 だまされたと思って、最初は無理してでも観たほうがいい。考えちゃだめ!)



そして積読の中から掘り起こされて最近読み終えたのがこれ。


芸術家とデザイナー

芸術家とデザイナー


まずなにより装丁について語りたい。とにかく美しいの。みすず書房さすが。
本文用紙の手触りがすべらかで、細めの明朝がくっきり出ていてきれい。
それにわたしの好きな縦長の判型、行方向は横書き。
そして、これはムナーリこだわりのレイアウト設計なんだけれど、
フォントサイズが2パターンあって、9ptの文章だけ追っていっても読めるし、
もっと詳細な記述が読みたければ、8ptの文章もすべて読めばいい。
図版も本文の途中に差し込まれているから、
どのタイミングで図版を参照すればいいのかがよくわかる、というつくり。
欲をいえば、図版がカラーだったらなお良いけれど、
価格が上がってしまうだろうから仕方ない。


内容は、「芸術家は…だ。対してデザイナーは…だ」という対比の連続。
1971年に書かれた本だけれど、表現や説明がとても現代的で明解。
デザインをビジネスとして捉えてるところもあるし、科学や歴史、工学にも強い。
それとも、デザイナーというのはいつの時代も現代的な人なのかな。


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長くなりそうなので、この辺でいったん切ります。